金、パニックのない急騰で4,000ドルを超える中 新規金購入者は3倍に増加
2025年10月9日・ロンドン －金の投資が急増し、金地金価格はトロイオンスあたり4,000ドルを超え、さらに上値を狙っている。9月には、世界有数のオンライン貴金属市場を提供するブリオンボールトで、5年前のコロナ危機のピーク以来、最も多くの新規ユーザーが口座を開設した。
現在、ブリオンボールトは世界120,000人のユーザーの72億ドル（53億ポンド、61億ユーロ、約1兆円）相当の貴金属を管理しており、9月には2020年8月以来最多の新規口座開設数を記録した。新規顧客数は前月比87.6％増、前年同月比では213.5％増と、3倍以上に跳ね上がっていた。
ブリオンボールトのリサーチディレクター、エイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「ブリオンボールトの20年間の運営で、これほど多忙だったのは2008年、2011年、2020年の大危機のときだけです。
リーマンショック、欧州債務危機、コロナ危機下のロックダウンはいずれも明確で即時的な緊急事態で、金への需要を大きく刺激しました。しかし今年のゴールドラッシュは、より広範な金融市場にパニックがない中で起きています。
代わりに、世界株式やビットコインも過去最高値を更新する中、金は新記録価格に急騰しています。このインフレ対策としての動きは、通貨の切り下げや政府債務の大きさに対する長期的な不安を示しています。」
ブリオンボールトでは9月、個人投資家の実際の取引データを基に算出する独自の指標「金投資家インデックス」が、8月の7か月ぶりの低水準から1.0ポイント上昇し54.9となり、6月の4年ぶり高値以来の高い水準となった。
この指数は、買い手と売り手のバランスを月単位で追跡しており、完全に均衡すれば50.0となる。パンデミック下のロックダウンが始まった2020年3月には65.9の10年ぶり高値を記録し、4年後には利益確定の急増により47.5の過去最低を記録していた。
今年9月の金価格上昇により、指数の過去12か月平均は54.7となり、2022年新年以来の最高水準で、金投資家インデックスの全期間平均とほぼ一致した。
エィドリアン・アッシュはこの状況に関して次のようにコメントしている。
「モルガン・スタンレーのような大手金融機関が投資家に『十分な金を保有していない』と言っている状況で、ETFや保管金地金への資金流入が増えるのは驚くことではありません。
コインや小口の地金市場でも、新たな需要がようやく見られていますが、既存の所有者による利益確定は依然として続いています。」
ブリオンボールト全体では、投資家が24時間アクセス可能な専門市場で安全な金地金を売買できるため、9月も3か月連続で顧客の買い需要と売却がほぼ相殺された。その結果、ブリオンボールトの顧客が保有する金の総量は44トン弱で、評価額は過去最高の54億ドル（40億ポンド、46億ユーロ、約8,000億円）となった。
銀については、ブリオンボールトの顧客の総保有量はほぼ横ばいで、重量ベースで0.2％減の1,155トンとなり、評価額は新たに過去最高の17億ドル（12億ポンド、14億ユーロ、約2,518億円）に達した。産業的利用価値の高い銀は、全通貨での月平均で新記録高値に達し、2011年4月のドル建てピークを12.1％（GBPで11.6％、EURで11.1％）上回った。
銀投資家インデックスは3.4ポイント上昇し55.1となり、4年ぶり高値であった4月以来の最高値を記録。過去3年間で6回目となる金投資家インデックスを上回った。
エイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「今年春のトランプ政権による米国関税ショックで金銀価格が急騰した後、金銀価格は再び上昇しています。トランプ政権が政策金利に関して米連邦準備理事会（FRB）の独立性を攻撃しているためです。
しかし、地金市場は今やドル建て価格だけではなく、他通貨建てでも新記録を更新しています。トランプ氏の大統領復帰が今年の貴金属価格急騰の引き金となったのは明らかですが、彼の政策は投資家や貯蓄者にインフレ対策の必要性を強調するものであるものの、この状況を生み出したわけではありません。」
以上
連絡先： ホワイトハウス佐藤敦子
直通電話番号： +44(0)20 8846 3804
メールアドレス：atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
金投資家インデックスは、新型コロナウィルスが世界的に広がった2020年3月に65.9と10年間の最高値を記録し、2024年3月には47.5と記録的な低水準に下げていた。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会（LBMA）のAlchemist誌の2013年の記事を参照。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。今年4月で20年を迎える専門市場の低コストと深い流動性とセキュリティーを提供するサービスを利用して、現段階で175か国からの115,000人を超える個人投資家が72億ドル（53億ポンド、61億ユーロ、1兆円）相当の地金を保管ている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年から専門業界団体であるロンドン貴金属市場協会（LBMA）の正会員であり、2017年には、鉱業業界が支援するワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルのオンライン保管金銀地金パートナーに選ばれる。BBC、Handelsblatt、Bloomberg、日経ビジネスなど、英国内外の主要メディアで定期的に引用されているブリオンボールトは、2022年に3度目の英国企業女王賞を受賞している。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp
