【金投資家インデックス】2020年米国選挙への懸念が見られない中で 金の需要と取引量と新規顧客数は全て下げる
2020年11月6日ロンドン: 欧米の金投資需要、取引量、新規顧客数は、10月に金価格が下落する中で減少し、個人投資家の金へのセンチメントは、今週の米国大統領及び議会選を前に、新型コロナウィルスの感染が拡大し世界株価が急落した3月以来の低い水準となっていた。
これは、個人投資家へPCサイトとスマートフォンアプリで世界最大の金地金オンライン市場を提供しているブリオンボールトの最新データで明らかとなった。このオンライン市場は、世界中で9万人以上の顧客が利用し、36億ドルの貴金属をブリオンボールトで所有・保管しており、そのうち89%が北米と西ヨーロッパに在住する顧客となっている。
金投資家インデックスは、実際にその月に金の購入量が売却量を上回った顧客数と、売却量が購入量を上回った顧客数とのバランスを表し、この数値が50である場合は、この顧客数が完璧に一致したことを意味する。
トランプ氏が勝利した2016年には、このインデックスは56.8まで上昇し、3年半ぶりの高い数値を記録していた。それに対し、先月の金投資家インデックスは57.9まで下落し、今年7月に記録した2月以来の最も低い値と同水準となり、3月の8年半ぶりの高い数値を8.0ポイント下回っていた。
のデータについて、ブリオンボールトのリサーチディレクターであるエイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「もし、金地金が政治的ストレスを測るものとすれば、この機能が壊れているか、投資家が今回の投票結果に対して非常にリラックスしていたかのどちらかだろう。しかし、金融市場全般が、2020年の選挙を前に様子見モードに入る中、長期的な金への見通しが強気であることからも、金地金現物の需要の高さは維持されている。たとえ大統領選で誰が勝利したとしても、米政権はFRBによる前例のない金融刺激策にサポートされて、コロナ危機と戦うために記録的な赤字支出を継続せざるを得ないだろう。」
10月の金価格は、月間平均で1.1%下落し、ボラティリティーは、3月にコロナ危機が始まって以来の平均的な水準から1日平均で3分の1まで下落していた。
ブリオンボールトの金地金取引量は、9月から34.7%減少し、3月の18.7%以下となり、昨年12月以降では最も少ない量へと減少していた。
また、10月のブリオンボールトにおける米国の新規顧客数は2月以降で最も少なく、9月に比べて36.3%減少し、ドナルド・トランプ氏が2016年に大統領選で勝利を収める直前の10月数値からは35.4%減少していた。これは、世界全体の新規顧客数の動きとは対照的で、9月に比べて9.1%減少していたものの、2016年10月に比べて18.8%増加していた。
また、2020年の選挙前に先月は金地金の需要も減少し、ブリオンボールトの新規及び既存の顧客全体では、購入分から売却分を除いた金地金の保有増加量が0.4トンと、過去12ヶ月の平均月間増加量よりも3分の1減少していた。しかし、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの専門保管場所に貯蔵されている顧客が所有する金地金の評価額は、27億ドル(2870億円)に相当する45.4トンに達し、過去最高を記録していた。
顧客が保有する銀地金も10月には25.9トン増加し、8億4,300万ドル(880億円)相当の1,110トンとなり、過去最高を更新していた。
しかし、月間で銀地金購入量が売却量を上回る顧客数が、売却量が購入量を上回る顧客数の3倍のペースで減少したために、銀投資家インデックスは6.0ポイント下落して56.8と5月以来の急落となり、12ヶ月平均を下回り、3月の史上最高値からは18.3ポイント下げていた。
プラチナの保有量も先月は61.5kg増の1.9トンで、評価額5300万ドル(50億円)と、過去最高を記録していた。
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ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点で9万人を超える175カ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用している。
多くの世界の中央銀行の金準備を上回る規模の金地金をブリオンボールトで購入し保管している顧客は89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp