金投資需要がパンデミック前の低さへと96%減少
2021年4月7日ロンドン: 世界最大のオンライン貴金属市場を提供するブリオンボールトの最新のデータによると、個人投資家の金地金購入需要がパンデミック以前の水準へと下げていたことが明らかとなった。
ブリオンボールトの3月の金地金需要は、顧客の売却分を差し引いた購入総量が24キロ、その評価額が140万ドルに満たないものとなっていた。
これは、過去12ヶ月間の平均需要量のわずか4.0%で、重量ベースの純需要としては2020年1月以来の低さとなっていた。
昨年3月のコロナ危機時には、金の需要はブリオンボールトにおける月間記録である2.0トン(1億270万ドル相当)に達していた。
先のデータについて、ブリオンボールトのリサーチダイレクターのエイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「貴金属が2020年の記録的な投資資金の流入を繰り返すことは当然容易なことではないが、コロナ危機後の世界的な経済ブームに賭けようとする動きは、それをさらに困難なものにしている。
金価格の動きはまだ弱気と言えるものではないが、非常に退屈なパターンになってきており、価格が下がったことで売りが後退したものの、現段階までにバーゲンハンティング的需要は見えていない。
景気回復を期待して株式が急騰し続ける限り、金への資金流入は限られるだろう。現在の大規模なプロシクリカルな金融・財政刺激策によって引き起こされる危機が到来する頃には、多くのポートフォリオから金が消えている可能性がある。」
先月金地金を売却した顧客数は25.9%減少し、昨年12月以来の少なさとなった一方で、ブリオンボールトにおいて金地金を購入した顧客数は、2月の3ヶ月間の最高値から16.3%減少していた。
そのために、3月の金投資家インデックスは0.8ポイント下落して57.4となっていた。
この数値は11月以降では最も低い値であったものの、2020年3月からのコロナ危機による急増がなければ、2016年末にドナルド・トランプ氏が大統領に就任して以来最も高い金投資家インデックスの数値となっていた。
3月の金価格は過去7ヶ月のうち6度目の月間での下落で約5%安と、8月の記録的な高値から250ドル下げてトロイオンスあたり1718ドルと、昨年5月以来の低い月間平均値を記録していた。
そのために、2020年に金地金を購入した顧客が引き続き先月の売却を牽引し、全体の売却者の27.2%を占めていた。
3月のブリオンボールトへの資金流入によって、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの専門保管場所で安全に保管されている顧客の金地金の総量は、過去最高の46.5トンで、評価額としては25億ドルに達していた。
一方、金、銀、プラチナを購入するためにブリオンボールトを利用した新規顧客数は、3月には2月の新規顧客数から39.5%減少し、2020年3月の史上最高記録を67.4%下回ったものの、英国と米国よりの顧客増加に牽引され、過去5年間の平均値は35.5%上回っていた。
3月の銀価格は金よりも下げ幅が大きく月間で10.1%と、月間平均価格では昨年12月以来の低水準となるトロイオンスあたり25.60ドルで、2月の8年ぶりの高値から1.75ドル下落していた。
その結果、銀地金に対する需要が高まり、ブリオンボールトの銀地金保有量は1.4%増の1,182トンとなり、過去最高を記録していた。
銀地金の購入者数は2月の11ヶ月間の最高値から32.4%減で、売却者数は44.6%減と、ブリオンボールトにおいては過去2番目に高い数値の先月からほぼ半減していた。
そのために、銀投資家インデックスは58.4と、2月の5ヶ月間の最高記録から2.6ポイント減少していた。
一方、プラチナの保有量は2.6%増の1.8トンとなり、工業用途需要が6割と高いプラチナが、先月2014年以来の最高値を記録した際に利益確定の売りが進んだことで流出した0.2トンの半分を取り戻していた。
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ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点で9万5千人を超える175カ国の顧客が、低い費用で流動性が高く安全な貴金属専門市場にアクセスできるこのサービスを利用し、35億ドル(3890億円)相当の顧客資産を保管している。
多くの世界の中央銀行の金準備を上回る規模の金地金をブリオンボールトで購入し保管している顧客は89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp