金投資家が価格の下げを購入機会とし インフレ懸念からも金需要が急増
• 金投資需要は5年平均の125%増
• 2021年上半期の新規顧客者数は、記録的な2020年に次ぐ史上2番目の高さへ
2021年7月8日ロンドン - オンラインで世界最大の現物地金市場を提供するブリオンボールトの最新データによると、6月に金価格が過去5年間で最も大幅に下落したことからも購入機会を掴むべく、そしてインフレと株式市場のヘッジの目的からも金地金購入が急増していたことが明らかとなった。
5月の金の需要はすでに4月の2倍となっていたものの、6月はさらに40.1%増加し、月間で約500キロの金が新たに購入され、ブリオンボールトが顧客のために保管する金総量が史上最高値を更新していた。
金価格は先月、米ドル建てでは7.2%の下落となり、2016年11月にドナルド・トランプ氏が米大統領として選出されて以来の急落となり、ユーロ建て、英国ポンド建てではドル建て価格と比較して下落幅が小さかったものの、それぞれ4.9%、5.0%下げていた。
6月の価格下落は月間平均ではそれほど顕著ではなく、米ドル建てでは1.0%の下落にとどまり、トロイオンスあたり1834ドルとなっていた。
しかし、6月の月間平均価格としては過去最高を記録していた。
このデータについて、ブリオンボールトのリサーチディレクターのエイドリアン・アッシュは次のように述べている。
「移動規制の解除が進み、経済が再開されたことで、長期的なインフレ懸念に拍車がかかることとなった。そのため、ワクチン接種普及がより進むことで、世界的なコロナ危機の終わりの始まりが告げられる中で、金投資の需要は後退するどころか堅固に推移している。
株式市場が下落した際に金が上昇するという長年の実績は、この希少な現物資産をポートフォリオの保険として利用し、リスクを分散させたい投資家にとっても魅力を高めている。」
2021年6月の価格下落時に、金の売却をしたブリオンボールトのユーザーは2019年12月以来最も少なく、5月の数値から40.1%減少していた。
一方、金購入者数は7.1%増加し、10ヶ月ぶりの安値に下落した3月の価格低迷時以降で最も多くなっていた。
これらの結果、ブリオンボールトの95,000人の顧客が実際に行った取引を基に算出される金投資家インデックスは、4ヶ月ぶりに57.6の高値を記録していた。
この値が50.0であれば、その月は買い手と売り手のバランスが完全に均衡していることを意味する。金投資家インデックスは、2020年3月にコロナ危機が始まった際に、9年ぶりの高値となる65.9を記録している。
エィドリアン・アッシュは次のように述べている。
「今春のインフレ率の急上昇が短期的に金価格を下げていることは理解できないかもしれないが、それは米国の連邦準備理事会を中心とした世界の中央銀行が、金融緩和の縮小と金利の引き上げを始めようとしているという観測を広め、金利を生み出さない資産である金に悪影響を与える可能性があると見られたからだ。
経済成長がまだ不安定である中で、インフレ率はすでに預金に付く金利をはるかに超えているために、金の価格下落は、金融政策が将来にわたって歴史的な水準で緩和的であり続けることに対する長期的なヘッジとして、投資家には金の購入機会を与える事になった。」
そこで、顧客が選択可能なロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、チューリッヒの保管場所に貯蔵されいる、顧客の売却分を差し引いた金地金の純粋な需要は先月446kgに達していた。
これは、過去5年間の平均値を124.5%上回っており、金地金がトロイオンスあたり2000ドルを超える史上最高値を記録した2020年8月以来、最大の月間増加量となっていた。
そこで、ブリオンボールトの顧客が所有する金地金の総量は47.4トンとなり、この評価額は27億ドル(2970億円)に相当し、16度目の記録更新となった。なお、この保管されている金地金の総量は49カ国以外の中央銀行が保有する金準備を上回っている。
この個人投資家が保有する地金量は、世界の株式市場で取引されている金を裏付けとする上場信託の131銘柄のうちの119銘柄を上回る量となっている。
2021年6月の銀価格は、金に比べてやや下落幅が小さく、米ドル建てでは5月末から6.7%の下落、月平均では1.8%の下落となった。
しかし、銀の月間平均価格は26.98ドルで、2012年以来の高水準となり、前年同月比では約52.3%上昇していた。
重量において銀需要は4ヶ月ぶりに増加し、17.7トンとなり、ブリオンボールトの顧客が所有する銀総量は約1,219トンで、評価額は10億ドル(1,110億円)に達し、11回目の記録更新となっていた。
銀の売却者数は、5月に比べて41.7%減少し、2020年3月以来の少なさとなっていた。ちなみに前回の記録時には、世界でコロナ危機が発生して、様々な市場で価格の急落が起こり、銀は2009年の1月以来の安値であトロイオンス12ドルを割り込んでいた。
それに対し、銀の購入者数は2021年6月に前月から5.3%上昇し、3ヶ月ぶりの高い数値を記録していた。
この結果、銀投資家インデックスは3月以来の高水準である56.2となり、コロナ危機以前の5年平均値を約3.5ポイント上回っていた。
しかし、6月の新規口座開設数は全体的に減少し、前月と比較して35.9%減で、2020年6月と比較すると51.1%減と、新型コロナウィルスが世界的に感染を広げる直前の2019年12月以来の最も低い月間増加数となっていた。
しかし、2021年の前半6ヶ月間は、ブリオンボールトの創業以来16年の歴史の中で2番目に高い上半期の記録で、前年の上半期の記録に次ぐもので、過去10年間の上半期の平均を85.3%上回っていた。
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
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メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点で9万5千人を超える175カ国の顧客が37億ドル(4160億円)相当の資産を保管している。利用する顧客の89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして、2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされ、そのサービスは、2014年11月に、英主要経済誌「Money Week(マネーウィーク)」の購読者によって「最良の金取引業者」に選ばれている。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jpをご覧ください。