個人投資家は2022年を目前に金投資需要が高まる
2022年1月5日 – ブリオンボールトが毎月まとめる個人投資家の金へのセンチメントを表す金投資家インデックスによると、2022年を目前に金投資需要は3ヶ月ぶりの高水準となっていたことが明らかとなった。
12月には、米連邦準備制度理事会(FRB)がより速いペースの量的緩和縮小と2022年の利上げ予想を発表したことから、金価格は2ヶ月ぶりの安値を付けていた。
この価格下落により、オンライン現物貴金属市場を提供する世界最大手であるブリオンボールトで金売却を選択した投資家の数は11月からほぼ半減し、2016年夏に英国が欧州離脱を選択した国民投票後以来の低さで、前月比最大の下げ幅の45.2%となっていた。
この間金の購入者数も7.4%減少していたものの、金投資家インデックスは54.2と、11月の28ヶ月ぶりの低さから1.4ポイント上昇し、昨年9月以来の高水準となっていた。
金投資家インデックスは、その月に購入量が売却量を上回ったネット購入者数と、売却量が購入量を上回ったネット売却者数が完全に一致した場合50.0となるように設定されている。そして、2020年3月にコロナ危機が始まった際に9年ぶりの高値65.9を記録し、同年は57.0で終了していた。
このデータについて、ブリオンボールトのリサーチダレクターであるエイドリアン・アッシュは、次のようにコメントしている。
「2020年の金への記録的な資金流入を繰り返すことは難しいものであることが明らかとなり、インフレ率の上昇にもかかわらず、価格同様に投資家の金へのセンチメントが十分に改善していないことは事実だ。個人投資家とマネーマネージャーは、コロナ危機が始まった際に前例のない量の金を購入していたが、2021年の金への資金流入はその水準には至らないものの金購入は継続しており、長期におけるポートフォリオの保険としての金の役割は揺るいでいないことを示している。
昨年、世界の株式市場が過去最高値を更新し続けたことも、分散投資のために金を購入する緊急性を低下させ、これらリスク資産に対する信頼が、2022年が始まっても貴金属への新らたな資金流入を抑制し続ける可能性はある。過去の例を見ると、ポートフォリオの保険として金を購入する最適なタイミングは、他の人々が金への関心を失い価格が低迷している時だ。そして、金は株式市場が長期的に下落する際などに大きな上昇を見せている。そのために、現在はより長期的な投資を行う人々に購入機会を提供しているとも言えるだろう。」
米FRBの12月の声明と今後の利上げ予想発表後、2022年を目前に金価格は上昇し、2021年の終値はトロイオンスあたり1820ドルと、前年末比において下げ幅を3.8%と狭めていた。
そして、2021年の金の年間平均価格は米ドル建てで1.6%上昇し、6年連続の上昇となっていた。
ブリオンボールトの顧客が、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、トロント、シンガポールの中から選択することが可能な保管場所で保有する金地金の量は、2020年末以来3.6%増加し、2022年を前に47.5トンとなっていた。
これは、世界の多くの国の中央銀行が保有する金準備よりも多く、世界の株式市場で取引される金の上場投資信託(ETF)のうち、最大13銘柄を除く銘柄の保有量を上回っている。
銀価格においては、12月に月間平均価格で前月比米ドル建てで7.1%下落し、2020年7月以来最も低い月間平均価格を付け、2020年3月のコロナ危機以来最も大きな下げ幅を記録していた。
この価格の急落により、銀の売却を選択した人は前月比38.9%減となり、2019年12月以降で最も少ない数値まで減少していた。
一方、銀の購入者数は6.8%増加し、銀投資家インデックスは2.3ポイント上昇の54.5となり、10月の27ヶ月ぶりの低値から2ヶ月連続で上昇、2020年12月の54.2とほぼ同水準となっていた。
そこで、ブリオンボールトにおける顧客が保有する銀地金総量は、2021年全体では10.7%増加し、1,251.3トンという過去最高を記録していた。
このような中でも、12月は新規顧客数が急激に減少し、11月から59.3%減で、昨年7月の2年ぶりの低水準へと下げていた。
2021年全体では、ブリオンボールトの新規顧客数は、2020年の最高記録から47.7%減少し、ユーロ圏において52.2%減と、米国の41.8%減と英国の42.4%減と比較してもより顕著なものとなっていた。
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
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メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点でほぼ10万人の175カ国の顧客(89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住)が、380億ドル(4,340億円)相当の資産を保管して、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4つの企業の1社となった。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp。