コロナ危機以来最も速いペースで投資家需要が高まる
史上最高値に近い価格水準で利益確定の売却が進んだもののコロナ危機以来最も速いペースで投資家需要が高まる
2022年4月6日ロンドン – 3月に金の利益確定の売却が増加する中で、オンラインの貴金属現物取引の世界最大のプラットフォームであるブリオンボールトで、個人投資家が過去最高に近い水準の売却をしていたことが明らかとなった。
しかし、高インフレとロシアのウクライナ侵攻を背景に、金価格が世界の主要通貨建てで史上最高値、もしくはそれに近い水準に達したため、新規購入者の急増に牽引されて需要の急増が利益確定の売却を上回っていた。
現在、175カ国の国々から10万人以上のユーザーが40億ドル(4,830億円)の貴金属を保管しているブリオンボールトでは、安全に保険をかけて保管された金の購入を選択した人の数は、3月に54.3%増加し、2年前にコロナ危機が始まって以来最も速いペースで急増し、昨年6月以来最も高い数値に達していた。
一方、売却者数もまた22.8%増で、世界金融危機による金の強気相場のピークであった2011年8月以来の高い数値となっていた。
その結果、現物金地金に対する個人の投資行動を測るブリオンボールト独自の指標である金投資家インデックスは、2月の32ヶ月ぶりの低水準から2.0ポイント上昇し、2021年12月以来の高い数値の53.9と9ヶ月ぶりの速いペースの上昇となっていた。
金投資家インデックスは、月間で売却が購入を上回ったネット売却者数と購入が売却を上回ったネット購入者数が完全に一致した場合、50.0となる。このインデックスは、2020年3月のコロナ危機の際に65.9でピークに達し、2011年8月に71.7と最高値を記録していた。
このデータについて、ブリオンボールトのリサーチ・ディレクターであるエイドリアン・アッシュは、次のようにコメントしている。
「金は、高インフレとウクライナ危機を背景に株式市場が下落する中、再び危機時の本領を発揮して上昇していた。しかし、ウクライナにおける戦争と生活費の高騰が金に対する新たな関心を引き起こしている一方で、投資需要はコロナ危機と世界金融危機の水準には至ってない。
先月の金価格の高騰は、ロシアの侵攻に対する金融市場の当初のショックが後退するにつれて、急速に調整された。しかし金価格の下落は、ディフェンシブ資産でポートフォリオを分散させたいと考える既存および新規の投資家の新たな需要を呼び込んでいる。
高インフレとウクライナ危機が日々見出しを飾る中で、金に対する新たな関心はパンデミック開始以来最も速いペースで急増しているが、貴金属投資へのパニックやラッシュ的動きは起こっていない。既存投資家の利益確定の売却とリバランスのための購入が行われて、市場は全体的にかなりバランスが取れている。」
2022年の1月からの3ヶ月間で、金はドル建てで7.5%上昇し、MSCIワールド・インデックスで世界の株式は5.5%下落している。
3月8日、ドル建ての金価格は2020年夏の史上最高値を5ドル下回るトロイオンスあたり2070ドルとピークを迎え、英国ポンドは1580ポンド、ユーロは1900ユーロ、日本円でgあたり7757円と、他のほとんどの主要通貨で史上最高値を更新した後に下落して、月平均価格はドル建てにおいて1950ドル以下となっている。
ブリオンボールトでは、初めて口座を開設し貴金属を購入した投資家の数は、2020年3月以来の最も速いペースで急増して2月の5ヶ月の最低値から76.5%増となり、10ヶ月ぶりの高水準に跳ね上がっていた。
この動きは、英国の新規顧客数の56.8%増、米国の新規顧客数の142.1%増、フランスの新規顧客数の108%増という顕著な増加が牽引していた。
ブリオンボールトの10大市場の中で、新規顧客の増加率は、オーストリアが最も速いパーセンテージの増加を見せ、225.0%の急増を記録していた。
ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、トロント、そして最も人気のあるチューリッヒで保管されているブリオンボールトの顧客の金地金総保管量は、3月には47.0トンとなり、2月の10ヶ月ぶりの低い水準から0.1%増加し、過去6ヶ月間の721キロの売却分を53キロ戻していた。
銀の保管量は過去6ヶ月間で3ヶ月減少していた。これは、ユーロ圏の投資家が2013年1月以来最も高い月平均価格のトロイオンスあたり22.91ユーロとなったことで利益確定の売却を進めたことが牽引して、かつてない規模の大量の売却が起きていたことからだった。
また、3月の銀価格は、ドル建てでは7.6%上昇し8ヶ月ぶりの高値となる25.24ドル、英ポンド建てでは10.5%上昇し9ヶ月ぶりの高値となる19.16ポンドとなっていた。
ブリオンボールトの顧客が保管する銀総量は、1.1%減の1,214トンとなり、昨年5月以来最も少ない量となっていた。
そこで、銀投資家インデックスは51.2となり、2月の37ヶ月ぶりの低水準から0.5ポイント上昇していた。
これは、月間の購入量が売却量を上回っていたネット購入者数が、2月の2年ぶりの低さで8月以来の低さから52.1%増加する中で、売却量が購入量を上回っていたネット売却者数もまた45%増加と、12ヶ月ぶりの高さとなっていたことが背景となっている。
以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子
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メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
この数値の最高値は、欧州の債務危機の最中の2011年9月に金価格がドル建てで最高値を付けていた際の71.1で、それは英国の多くの都市で暴動が起こった翌月でもあった。そして、この数値の最低値は50.5で、金価格が数年ぶりの低い値となっていた2014年から2015年の冬であった。それ以来、金・銀投資家インデックスは金・銀価格との強い負の相関性を保っており、トランプ大統領が選出されて以来21ヶ月中の18ヶ月がこの傾向となっている。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現時点で10万人を超える175カ国の顧客(89%が北アメリカと西ヨーロッパに居住)が、400億ドル(4,830億円)相当の資産を保管して、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
• オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
• 米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
• 地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
• 日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4つの企業の1社となった。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp。