金の投資は景気後退懸念の高まりで「堅固」であることが証明される
金の投資は2022年の高インフレによる景気後退懸念の高まりで、株式、暗号資産、債券が下落する中で「堅固」であることが証明される
2022年7 月5 日ロンドン – 金への個人投資のセンチメントは、6月にほぼ1年ぶりの高水準から下げ、地金価格は下落したものの、2022年半ばを経て堅調に推移し、株式、債券、工業用金属、暗号資産の上半期の低迷と対照的となっていた。
これは、ブリオンボールトの顧客の取引データを元に算出した金投資家インデックスによるもので、世界で有数のオンライン貴金属プラットフォームを提供するブリオンボールトは、現在世界の10万人以上の個人投資家のために、36億ドル(4970億円)相当の金、銀、プラチナ、パラジウムを保管している。
世界の株式市場は、インフレの高騰、金利の上昇、過去20年間で最も強い米国ドル、ロシアによるウクライナへの侵攻が続く中低迷し、MSCIワールドインデックスは年初からの6ヶ月間に21.2%下落し、ビットコインは26.2%下落している。
金は先月史上最高の上半期価格で終え、6月は米国ドル建てでトロイオンスあたり1817ドルと昨年年末からほぼ横ばい、ユーロ建てで1744ユーロ、英国ポンド建てで1493ポンドとそれぞれ8.6%、10.9%前年度末の価格を上回っている。
このデータについて、ブリオンボールトのリサーチディレクターであるエイドリアン・アッシュは、次のようにコメントしている。
「安全資産としての金の魅力が確認される必要があるとすれば、今年の市場の混乱の中で、その回復力は顕著だ。金地金現物は、原油価格がゼロ以下になった新型コロナ危機の当初のデフレの波において、最も良いパフォーマンスを示した資産だった。インフレ率が欧米において40年ぶりの高水準に跳ね上がる中、現在では原油を除くすべての主要資産クラスを上回るパフォーマンスを見せている。
今後、中央銀行の政策金利の上昇は、貯蓄者には遅すぎるが、金は金利を生み出さないために、金価格には逆風となる。それに対して、不況が長期的なスタグフレーションになるリスクは、ポートフォリオマネージャーや他の既存の投資家が保険の一種として金を堅持し続ける動機づけとなり、2022年の現段階までの金の堅固さは、世界の株式市場の低迷が今年後半に続けば、更に新たな資金を呼び込む事となるだろう。」
ブリオンボールトの顧客のほぼ9割は西ヨーロッパと北米に居住している。この顧客の動向を見ると、6月の月間に売却を上回る購入をした金のネット購入者数は前月に比べ17.0%減少し、ネット売却者数は8.6%増加していた。
その結果、ネット金購入者数とネット売却者数が完璧に一致した際に50となるように設定されている金投資家インデックスは、5月に記録した11ヶ月ぶりの高水準の56.2から54.5へと下げていた。
しかし、ドル建ての金価格と同様、12月末から0.3ポイント上昇し、2022年の年初からはほぼ横ばいとなっていた。
銀価格は、金価格と異なり、6月には3ヶ月連続で全ての主要通貨建てにおいて下落し、トロイオンスあたり21.49ドルと2年ぶりの低いドル建て月間平均価格を記録していた。
また、銀の投資家インデックスは、5月のバーゲンハンター的購入が進み上昇した際とは対照的に、2021年4月以来の月間の急落を見せ、3.0ポイント下げて53.0となっていた。
投資家の売却分を差し引いた重量ベースの銀需要は、11ヶ月ぶりの高水準となった5月の15.2トンから著しく減少したものの、2.8トンと増加していた。その結果、ブリオンボールトの顧客が所有する銀の総量は、12月以来最大の1,238トンとなっていた。
以上
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事をご覧ください。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、個人投資家が専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4つの企業の1社となった。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。ブリオンボールトは、2022年5月から10月にかけて大英図書館で開催されている「Gold」展のスポンサーとなっている。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp