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欧米の投資家は金価格が史上最高値をつける中で利益確定の売却を進める

024年4月2日ロンドン -欧米の投資家は、ヘッジファンドによる投機的な取引と、中国の中央銀行の留まることのない需要により、金価格が全ての主要通貨建てで史上最高値を更新する中で、世界有数のオンライン地金市場であるブリオンボールトでは、顧客全体で購入した量の2倍以上の量の金地金を売却し、記録的な利益を上げていたことが、最新のデータで明らかとなった。

しかし、顧客による記録的な売却が行われたにもかかわらず、ブリオンボールトの顧客の保有している金は、32億ドル(4850億円)を超え、過去最高を更新していた。

ブリオンボールトのリサーチディレクターであるエィドリアン・アッシュは、この状況について次のように解説している。

「これまでの金地金売却者数のピークは、金地金価格が急騰した時だった。しかし、それらは全て、政治的、金融的なストレスが高まった時であり、そのために投資家の需要に拍車をかけていた。

 対照的に、今回の金の史上最高値の更新は、外部からの要因がない中で起きている。中国を筆頭とする新興市場国からの現物に対する絶え間ない需要が、欧米の投資家による記録的な利益確定売りを補って余りあり、この上昇トレンドの底力を物語っている。」

先月、金価格は8.1%急騰し、この1年で最も速いペースの上げ幅となり、トロイオンスあたり2214ドルと、3月の20営業日中に、9回の最高値を記録していた。(ポンド建てで8.5%高の1752ポンド、ユーロ建てで8.7%高の2050ユーロ、日本円建てで9.1%高の10,777円)

これを受けて、9割が西欧もしくは北米に居住しているブリオンボールトの個人投資家の金購入者数は、3.4%減少し、12月以来最も少なくなっていた。

対照的に、金売却者数は95.1%増加し、2023年3月(米国地銀危機)、2011年8月(米国債務格下げ、ユーロ債務危機、英国の暴動)、2022年3月(ロシアのウクライナへの全面侵攻)、2016年6月(英国がEU離脱を決めた国民投票)の売却者数を上回ることとなった。

その結果、世界最大のオンライン地金現物市場を提供するブリオンボールトにおいて、実際に取引されたデータを基に算出する金投資家インデックスは47.5となり、2016年7月以来最も早いペースで急落し、2月から4.0ポイント低下していた。

2009年10月以来、金地金現物投資を行う人々の傾向を数値で示しているこの指数は、月間で購入者数が売却者数と完全に一致していれば50.0となり、この数値は2020年3月にコロナ危機が発生した際に65.9に達し、2011年9月に金価格が世界金融危機のピークを記録した際に71.7という最高値を記録している。

金投資家インデックスは、過去に2度だけ月間の金の売却者数が購入者数を上回ったことを記録している。(2010年2月の48.8、2019年6月の49.1)



2005年4月のサービス開始時より24時間休みなく運営されているブリオンボールトにおける金地金の月間購入量は、3月には0.7トンとなり、過去12ヶ月の平均から4.5%増加していた。しかし、売却量はその2倍以上で100.3%増の1.6トン以上となっていた。

つまり売却量から購入量を差し引いた量は992kgとなり、これは前回の記録的なネットの売却量であった2019年6月よりも28.0%多く、6,880万ドル(104億円)相当となっていた。

これにより、ブリオンボールトにおける投資家の金地金保有量は45.5トンとなり、2020年以降で最低となり、過去最高であった昨年8月の保有量から5.5%減少していた。しかしながら、投資家の金地金保有評価額は、ドル建てでは過去7ヶ月で7.7%増加し、3月には過去最高の32億ドルとなっていた。(英国ポンド建てで8.1%増の25億ポンド、ユーロ建てで8.3%増の30億ユーロ、日本円建てで6.8%増の4910億円)

「中国を筆頭とする中央銀行がこの高値の金を購入して価格を押し上げているため、欧米の投資家はますます金を売却し、史上最高値で利益を得ている。しかし、これはポートフォリオのリバランスであり、売却することを急いでいるわけではない。なぜなら、彼らが未だ保有している金の評価額も過去最高値まで上昇しているからだ。2024年の非常に不確実な見通しがどのような政治的、金融的危機をもたらそうとも、それに備える金融システムの保険としての金の魅力は衰えていない。」とエィドリアン・アッシュはコメントしている。

金と同様、銀も先月は価格が急騰し、月間終値としては4年ぶりの高値となるトロイオンスあたり24.54ドル(10.2%高の19.46ポンド、10.3%高の22.76ポンド*)となっていた。

そのため、ブリオンボールトの3月の銀の売却者数は、前月から倍増して、108.7%増となり、2021年2月にソーシャルメディア上による投稿でシルバーをショートスクイーズ(#silversqueeze)しようとした際の、銀価格が30ドルに1セント届かない8年ぶりの高値をつけた時以来の多さとなっていた。

その当時、銀投資家インデックスは61.0と、2012年年初以来8番目に高い数値となっていた。しかし、先月は5.1ポイント減の45.0と過去最低を更新し、過去12ヶ月で4回目の売却者数が購入者数を上回ったことを示していた。

その結果、銀地金の総量は1,199.8トンと、2021年4月以来の低水準となり、過去最高であった2022年10月からは5.3%減少していた。

これとは対照的に、ブリオンボールトの顧客の銀地金保有評価額は、11.8%増の8億7800万ドルとなっていた。(ポンド建てでは11.0%増の7億5000万ポンド、ユーロ建てでは11.8%増の8億7800万ユーロ*)

エイドリアン・アッシュは今後の見通しとして次のようにコメントしている。

「金の突然な急騰による史上最高値により、短期的には価格の伸びが厳しいものとなるかもしれない。そして、特にアジアの消費大国の需要が、季節的な要因から小康状態に向かう夏に近づくにつれて、市場は欧米の投資家から戻ってくる大量の地金を吸収するのに苦労するかもしれない。

アジアの最大の金消費国やそれに次ぐ国々は、短期的には価格に敏感ではあるものの、消費者は過去に、このような状況下で繰り返し金価格上昇に慣れてきた。欧米とその他の国々の間に平和と信頼が生まれるまでは、新興市場の中央銀行からの需要は続きそうであり、中国人民銀行はどのような価格でも金の購入を止めることはないようだ。」

*銀の価格はロンドン貴金属市場協会、ワールドゴールドカウンシル等の業界団体が日本円で発表していないために換算をしていません。

以上
連絡先: ホワイトハウス佐藤敦子 
直通電話番号: +44(0)20 8846 3804  
メールアドレス:atsuko.whitehouse@bullionvault.com


ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスについて
ブリオンボールトの金・銀投資家インデックスは、個人投資家の地金現物の投資傾向を表す、世界でも数少ない指標である。24時間取引が行われている、ブリオンボールトのオンライン市場で取引がされたデータを基に算出され、それぞれのインデックスは、月間でその地金の購入が売却を上回ったネットで購入した投資家の数と売却が購入を上回ったネットで売却をした投資家の数のバランスを表している。そして、この購入者数と売却者数が完璧に一致した際を50として表示されている。
ブリオンボールトが発表するデータは、他の金銀地金市場のデータを補完し、世界最大の個人投資家へ行ったアンケート等の「意図」ではなく、実際に取引されたデータを基に算出されている。詳しくは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)のAlchemist誌の2013年の記事をご覧ください。
ブリオンボールト社について
ブリオンボールトは、金・銀・プラチナ・パラジウム地金現物所有サービスをオンラインで提供している世界でも有数の英国企業。2005年にサービスを開始し、現段階で175か国からの10万人を超える個人投資家が42億ドル(6460億円)相当の地金を保管し、専門市場の取引料率の低さと、流動性の高さ、そして厳重なセキュリティーという恩恵を受けている。また、ブリオンボールトのサービスは自己投資型個人年金の英国のSIPPや米国のIRA口座、信託口座、企業やチャリティー団体が現物金地金を保有するためにも使われている。
ブリオンボールトは、下記サービスを提供している。
•    オンラインとモーバイルで金・銀地金現物を24時間取引し、即座に決済。
•    米国ドル・ユーロ・英国ポンド・日本円の利用が可能。
•    地金現物を格安費用で、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シンガポール、トロントで特定保管。
•    日々オンライン上で、顧客所有の金・銀現物が保管されていることを証明するディリーレポートを公表。
ブリオンボールトは、2008年にロンドン貴金属市場協会(LBMA)の正会員となった。そして2009年には、個人投資家が地金専門市場にアクセスすることを可能としたことから、英国女王賞を革新部門で受賞し、2013年4月には、過去4年間の国際取引が140%増加していることが認められ、英国女王賞の国際取引 部門で2度目の受賞をしている。また、2011年には英主要紙のサンデー・タイムズの成長のスピードと規模を測る「Fast Track 100 (急激に成長している非上場企業100社)と Top Track 250(中規模非公開企業トップ250社)」の両方のカテゴリーにランクされた4つの企業の1社となった。2017年3月には、プラチナ業界のマーケティング団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシルによってオンライン・プラチナ地金投資保管のパートナーとして選ばれる。ブリオンボールトは、2022年5月から10月にかけて大英図書館で開催されている「Gold」展のスポンサーとなっている。
さらに詳細は、http://gold.bullionvault.jp

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プロフィール

ブリオンボールト

BullionVault

英国最大手のオンライン金地金取引サービス提供。英国女王賞を2009年に革新部門、2013年に国際取引部門で受賞。7万人を超える顧客の約38.7トンの金地金を保管。 ロンドン貴金属市場協会の正会員。ワールド ゴールド カウンシルの関連会社とロスチャイルドファンドが資本参加。

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