2015年シルバー需要は史上最大に ? World Silver Survey2016より
先週発表されたSilver Institute(政策はGFMS の「World Silver Survey」によると、昨年2015年のシルバーは史上最大の需要であったようです。宝飾、コイン、地金、そして太陽光発電需要が寄与し、36000トン以上となりました。需給のバランスは3年連続供給不足となり、その規模は2014年の60%増しとなっています。この供給不足の要因は、スクラップからの売り戻しの減少と現物需要の急増にあります。
世界の宝飾需要は3年連続増加し、史上最高値である7000トンに達しました。インドとタイでともに16%の伸び、北米でも5%の増加を記録しました。中国の宝飾需要の減少である程度相殺されています。銀食器加工需要もまた3年連続の増加で約2000トンとなり過去10年で最高の数字となりました。
シルバー需要の最大の分野であり50%を占める要は、昨年は4%減少し、18300トン。
地域別に見ると工業用需要で世界第二位と三位の米国と日本では若干の増加。
電気・電子需要は10%の減少で、7700トン。新興国での経済成長の鈍化とコンピュータ販売の不振が主な原因。
工業用需要での注目点は、太陽光発電需要が23%増加して2400トンとなったことで、中国での太陽光電池設置の増加が二年連続増加の原因。
供給サイドではシルバーの鉱山生産の伸びは2%とその伸びは緩やかになり、27600トンとなりました。
中国の経済成長鈍化と強いドルによって、全ての商品が価格の下落を見ました。シルバーも例外ではなく、2015年の平均価格は15.68ドルと、より安くなりました。しかし、この低価格により、現物需要は喚起され、また長期的投資家も、この価格レベルは絶好のロングポジションのエントリーのレベルと考えているようです。今年2016年は価格が大きく上昇すると予想されていますが、ここまでのところそれは当たっているようです。減少する鉱山生産、増加する工業用需要と、ファンダメンタルズ的にもシルバーの将来は明るいと予想しています。