独自の純金焼成にて生まれる「黄金の警察紋章」ー福井・廣部硬器
警察や消防、寺院などで見かける黄金の紋章たち。その美しさを半永久的に変わらないまま保ち続ける特殊技術を持つのが福井県福井市にある株式会社廣部硬器(ひろべこうき)。
同社は昭和31年創業のセラミックス造形企業で、そのオンリーワンの技術は、全国の警察本部、消防本部管轄の建造物に採用され、現在警察紋章は国内シェア8割とナンバーワンを誇ります。
従来、警察や消防署で使用される紋章は金属製品、樹脂などで作られていましたが、屋外に設置されるため、変色したり剥げたりと数年で経年変化が起きていました。
同社はこの問題を解決するため、セラミックス素材を採用し、そして独自の「純金焼成技術」を開発。耐候性・耐腐食性・耐寒性があり、塩害・凍害にも強く施工時と変わらぬ美しさをを数十年と保つことに成功。
ただ紋章を別なものに差し替えるということ、また新しい素材の良さをわかって頂くことには時間が必要で、静岡の警察署で初めて採用されてから、今の全国シェアNo.1に至るまでには、比類なき商品性だけではなく、同社の粘り強リ営業と熱意があってこそのもの。
こちらが警察紋章。先に述べた独自の「純金」を「焼き付ける」技術により、この美しい黄金の輝きを半永久的に保ちます。
発注元によっては求める金色などが異なることもあって、日々テストを重ねながら新しい色についても試行錯誤されています。
「愛しきものたち」第10回 廣部硬器
厳しい環境にさらされても、家族と一緒なら輝き続けられる。
福井県福井市。創業60余年の廣部(ひろべ)硬器がつくる警察紋章は、全国シェア1位を誇る。従来の紋章は金属製だったため、風雨等の環境下では数年で劣化がおきていた。同社は新たな視点でセラミックス素材を採用し、独自の純金焼成技術を開発。紋章の美しさを半永久的に保つことに成功した。だが、全く新しい製法の価値を受け入れてもらう道のりは平坦でなかった。厳しい状況が続く中、3人の娘達が自分の意志で入社を決意し帰郷。彼女たちがつくる明るい雰囲気に包まれながら諦めずにものづくりを続けていると、次第に軌道に乗り始めた。今日も全国の交番で、廣部硬器の心は美しく輝き続ける。
- 撮影者:GOLDNEWS
- 場所:福井・福井市 廣部硬器