金ができるまで―三菱マテリアル・直島製錬所レポート
古くから人々を魅了してやまない金の輝き。
現物の場合、ゴールドバーとして保管するのが一般的ですが、ゴールドバーができるまでの過程をご存知でしょうか?三菱マテリアル・直島製錬所のケースをもとに解説します。
▼STEP1 海外から銅精鉱を輸入
カナダ、オーストラリア、インドネシア、チリなど、世界各地の鉱山から銅精鉱を貨物船で香川県の直島にある三菱マテリアル・直島製錬所まで運搬します。金を作るのになぜ銅なの?と思うかもしれませんが、銅精鉱の中には金や銀も微量に含まれているからです。銅精鉱1トンに含まれる金はわずか数グラムです。
▼STEP2 電気銅と金銀スライムに分離
銅精鉱は三菱連続製銅炉で処理され、さらに精製炉を経て、純度99.2%の精銅ができあがります。
これをアノード(粗銅)にして銅電解工場へ。ここで品位99.99%以上の電気銅、金銀スライム、粗硫酸ニッケルに分離されます。
▼STEP3 金銀スライムから金粒に
銅精鉱中に微量に含まれる金銀は、金銀スライムに濃縮されます。このスライムを処理し、金と銀に分離。スライムから分離、抽出された金はいくつかの工程を経て、純度99.99%の金粒となります。
▼STEP4 金溶解
金粒からゴールドバーにするため、金粒を熔解。
▼STEP5 金鋳造
熔解した金をゴールドバーの鋳型に流し込み、バーナーであぶり、鋳造。
▼STEP6 冷却&職人のチェック
鋳造した金を水で冷却します。その後、水から取り出したバーを職人がチェックし、不具合がないか検査。
▼STEP7 精密秤量機へ&刻印-完成
できあがったゴールドバーの重量を精密秤量機で計測し、基準の範囲内に重量が収まっているかどうか検査します。
信頼の証である三菱マークとナンバー(金塊番号)、重量、品位などが刻印され、みなさまが手にするゴールドバーが完成!
いかがでしたか?手間暇のかかる様々な工程を経て、銅製錬の副産物から黄金の輝きが生まれるのです。純度99.99%の金塊がいかに希少価値のあるものか、ご理解いただけたのではないでしょうか。